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お位牌について ブログ

33回忌を過ぎたお位牌の処分でお困りの方へ。その方法を解説します。

「仏壇の中から既に33回忌をとっくに過ぎているお位牌が見つかりました。このお位牌(ご先祖様)はこのままにしておいて良いのでしょうか。」

仏壇やお位牌の管理を次の世代に負担させないために、正しい処分の方法や魂抜きの供養やお焚き上げの依頼先を教えて欲しいといった問い合わせが最近増えてきました。

本編はお位牌の処分に関わる年忌法要(法事)との関連や弔い上げについて解説します。

僧侶による閉眼供養の様子

年忌法要とは

故人の冥福を祈り供養するため、葬儀後の定められた年に営まれる法事の事です。一年後の命日が一周忌でその後2年後が三回忌で亡くなった年も含めて数えて(1を引く)、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌と法要が続きます。

三十三回忌で弔い上げが行われることが慣わしとして一般化しているので、弔い上げと三十三回忌が同じものだと勘違いされている方が多いですが、年忌法要はいつ切り上げて弔い上げしても構わないとされています。

弔い上げ(とむらいあげ)とは

年忌法要をいつまで続けるのかは、宗派、地域や慣習、菩提寺の考え方によって異なりますが、一般的には三十三回忌か五十回忌を最後とすることが多く、法要を切り上げることを「弔い上げ(とむらいあげ)」と呼びます。つまり年忌法要の最終回が弔い上げです。

最近では慣習を守ろうにもライフスタイルも多様に変化してきており、なかなか法事をきっちり継続して行うことも難しく、七回忌や十七回忌を節目に切り上げて、早めに弔い上げするようなケースが増えてきています。

そうなると経験や知識のない若い世代が関わってくる機会も増えて、仏壇や位牌の扱いについての問い合わせが増えてきているのだろうと推測しています。

という事で「弔い上げ(とむらいあげ)」が終わったあと位牌はどのように扱えば良いのでしょうか。

弔い上げで故人のお位牌は処分します

弔い上げが終わると故人の魂は先に仏様となっているご先祖様の魂と一緒に祀られます。

具体的には戒名が書かれた位牌の魂を先祖代々にまとめた先祖位牌に移すという儀式を僧侶に行なってもらいます。

年月を経た故人は修行を積んだとされて、個別の位牌から先祖位牌に魂が統合されていくのです。つまり仏様になっていくと過程です。弔い上げ後の故人の魂は先祖位牌に宿り、生きている子孫を守ってくれる存在となります。

そして弔い上げで魂を抜かれ役割を終えた故人のお位牌は、ただの木の板となってその後適切に処分されことになります。通常はここでお焚き上げするわけです。

位牌を持つ女性

位牌を処分する方法

位牌の処分は、「お焚き上げ」と「永代供養」があります。どちらかを選択するというわけではなく依頼先や供養のスタイルによります。

「お焚き上げ」

位牌を処分する方法の1つが、焼却して灰にして宿っていた魂を天に還す供養である「お焚き上げ」です。先に取り上げた魂抜きを行って故人とご先祖様の魂を抜いたことで単なるモノになった位牌はお焚き上げできるようになります。位牌は、故人やご先祖様の魂が入っていた依り代ですので最後はお焚き上げを行うのが一般的です

但し注意すべきは、お焚き上げというワードが処分の方法のように使われていますが、実際に大切なのは燃やす前に行う魂を抜くという作法(法要)であって、燃やすことだけが重要なことではありません。

民間の「お焚き上げ」サービスに依頼するときは、位牌の魂抜きという作法をきちんと寺院で行っているのかどうかを確認することをお勧めします。焼却炉にどさっと放り込まれるような粗末な処分にならないように供養と処分の工程や、そもそもの考え方を大切にしましょう。

お焚き上げ供養の様子

「永代供養」

もう1つの方法が「永代供養」です。永代供養は、寺院や霊園に位牌を預けることでご家族に代わって永続的に供養をしていただくことができます。ご自宅で維持していくことが難しい方や承継者がいらっしゃらない場合に選ばれます。 永代供養は永久に位牌を預かっていただけるわけではなくたいていは期間が決まっていて、一定の年数を超えると合同で供養されるようになりその時点でお位牌は処分されます。預かっていただける期間についても事前に確認しておきましょう。

僧侶による法要

つまり寺院に依頼すると承継者の手を離れそれ以降の管理と供養をお寺の住職にお任せすることになりますが、永遠に位牌を置いて個別に供養していただけるわけではなく、一定の期間を過ぎると合祀といって全体と一緒に供養される形になり、その時点でお位牌はお焚き上げされるというのが一般的です。

お位牌は必ず残す必要がある?

お位牌に限らず、仏壇やお墓もそうですが、残すことが目的ではなく供養をどのように継続していくのかということが大切です。だれがどのようにご先祖様の供養を継承していくのかの決めておかないと子供達は結局自分達はどうすべきなのかをなんの引継ぎもない中で迷ってしまうことになります。

ご先祖様のお位牌を自分の代でお焚き上げしてしまおうとか、子供にもわかる祖父母の代のお位牌までは残しておこうとか、全て無いほうが子供達も面倒をかけずに済むのでお寺に預けて永代供養にしようとかを決めて処置しておくべきです。

その中で仏壇やお墓は処分したけど、位牌は少し手元に置いておきたいなということであれば宗教上の問題もありません。

つまり管理する人が居なくなったときに困らないように準備しておくことが重要なのです。

最近は仏壇さえ無くして、位牌と遺影、香炉とおりんのみがタンスの上に置いてあるといったとても簡易なスタイルも増えています。

手を合わせる対象が明確であればその形(仏事上の推奨も含め)にはこだわらなくても良いと筆者は考えます。

位牌に手を合わせ祈る

承継問題について

ご先祖様のものはもとより、身近な親兄弟の葬式からずっと手を合わせてきたお位牌などは、これからどのようにして引き継いでいけばいけば良いのか不安になります。元気なうちは良かったのですが、自分が死んだあとはどのように管理されるのか考えなければいけない年になってくると、永代供養や魂抜きをしてお焚き上げしてしまうといったことも選択肢として具体的に検討せざるおえません。

宗教感やら生活事情やら、いわゆるライフスタイルというものが早いサイクルで変化していることもあって、昔の価値観のまま現状維持のスタンスでいるといざというときに次世代にうまくつなげていくことが難しくなっていたりします。

子供たちには目の前に現実の生活があり、大きな仏壇を置く居住スペースはなく位牌に手を合わせて拝むような慣習も無くなってしまっていて、それらを自分達の生活圏内に保持することに違和感を感じることになるのは明白です。承継という名目で押し付けることが大きな負担となり、子供たちを苦しめてしまうことになりかねません。

価値観の変化と信仰の継続性

承継問題を掘り下げてみると、なんとなく大切なものだとは知りつつも、どのように管理し次世代に繋げていくべきなのかをきちんと教えられていないことも原因の一つです。実際自分達も教えられてこなかった、という人が今引継ぐ側となりどうすべきか悩んでいます。

昔は菩提寺と呼ばれるお世話になっている寺のお坊さんが、家系や家族の供養の継続を支援する仕組みが地域ごとに仕組み化されていました。

しかし日本人の子供達はもうかなり前の時代から故郷を出て都会に移り住み独立する形で核家族化し、田舎のお寺とはその関係も薄れ、さらにお寺も世代交代し、その結果昔ながらの慣習を守り伝えることや信仰スタイルを継続しその情報を正しく得る方法が無くなってしまいました。それは地域や●●家代々の独自ノウハウが断絶していくことを意味します。

お家の信仰やご先祖様をお祀りする形式も、それぞれの事情やいまの親族の考え方土地がらなどによって全く変わってくるものですから、「こうすれば間違いは有りません」といった万能な承継課題の解決方法は有りません。

少なくともお墓や仏壇を整理し位牌を処分せざる負えない人が最近すごい勢いで増えてきていることは確かです。

合理的で割り切った考え方を受け入れながら、お位牌や仏壇を供養し処分してくれる業者に任せるという方法も検討頂きたいと思います。


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