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仏壇なしで遺影写真のみで供養する方法。シンプルな供養の形について解説

近年、大きな仏壇から小さな仏壇に買い替えたり、仏壇仕舞いをされるかたが増えています。特にマンションに引っ越しをされるときや、老人ホーム・介護施設などに入所される際に、新しい環境に向けた省スペースな供養の形を検討されるかたが多いです。

その場合、何を捨てて何を残して、何を買い足せば良いのでしょうか。その疑問にお答えして自分なりのご供養の形を定めて頂き、今後の生活がより豊かに過ごせるように供養に寄り添える無理のないスタイルを応援いたします。

仏壇なしで供養するために必要な仏具とは?

そもそも仏具って何のため?

仏具とは仏壇にお祀りされているご本尊にお供えするための道具です。なぜお供えするかというとご先祖様や故人のことを偲んだり手を合わせて祈ったりする表現の一つなのです。お供え物の基本は五供(ごくう)といって香、花、燭台、浄水、飲食(おんじき)です。それぞれを香炉、花立、燭台、茶湯器、仏飯器の5種類の仏具で用意してお供えします。これを五具足と言います。

最低限必要な仏具って何?

仏壇などを購入する場合には通常6点セットで提供されます。先ほどの香炉、花立、灯立、茶湯器、仏飯器、の5つに線香差を加えて6点です。(これを6具足と称されている場合もあり)。では最低限必要な仏具は何かというと、三具足と呼ばれる香炉、花立、燭台に絞られます。

おりんは必要ないの?

実はおりんは必ず必要な仏具ではありません。そもそもはお寺でお経を読むときに、おりんを鳴らして音程やリズム、始まりや終わりの区切りを付けるための音響設備なのです。宗派によって使い方に差は有れど、家庭内で質素に供養場を作るならばおりんは必須ではありません。しかしあの済んだ音色は独特でお参りを始める挨拶として、心情的には欲しいアイテムです。邪気を払ったり祈りを音色に載せて極楽に届けてくれるという役割もあるようですので、気持ち次第でおりんも揃えてください。

必要な仏具を配置するスタイルは?

写真と花、香炉、燭台のみの供養スタイル

今回のテーマは仏壇がなく遺影を飾るスタイルですので、さきほどの必要最低限と言われる香炉、花立て、燭台、加えておりん、主役の写真スタンド(遺影)が構成に必要な仏具となります。

本来仏壇の中には、ご本尊(仏様)がお祀りされていて、そのご加護のもとご先祖様や故人のお位牌が配されています。ところが最近ではご本尊はいらっしゃらなくて、お位牌が主役となって中心に置いておられるご家庭が増えてきました。つまりお仏壇がお位牌を安置する場所になっていて、そのような供養場のスタイルが増えてきたということです。そしてさらには仏壇も無くしてしまおうということです。

仏壇を処分したとして、その後 位牌はどうするのかという問題があります。仏壇を処分するということであれば、一緒に寺院のお坊さんに位牌も魂抜きの供養してもらってお焚き上げしてもらうことも可能です。その後の供養のスタイルをどのようにするかでお位牌の扱い方も変わります。

基本的にはお位牌は処分するものではありません。スペースも取りませんし故人の魂の依り代ですから大切に管理するほうが望ましいです。但し、仏壇を手放した方の状況は、次の世代への継承、つまり供養の管理伝承といった事に不安を感じていらっしゃるかたが殆どだと思います。子供達には負担をかけさせないために供養の形を検討されているという事情をお持ちの方は近年とても増えています。とはいえ故人の分身ともいえる位牌を簡単に手放せません。仏壇と違って位牌は比較的後始末も簡単です。もし迷いがあるなら手元に残されることをお勧めします。

遺影を飾って供養するスタイルについて

いよいよ遺影を中心に仏具がそろって位牌をおくかどうかのところまで絞られてきました。ところで遺影を置くという形は本来の仏教の供養の形からすると良い形なのでしょうか?

遺影には宗教的な意味合いは無い

通常、仏壇の中には遺影は飾らないのがルールです。意外かも知れませんがお仏壇の中は浄土の世界を表しており、この世のものを置くのは避けるべきとされます。置くとすれば一番下段の引き出しの棚の上か手前の教机などの傍らに、しゃべりかけやすいように向き合えるように置きます。つまり宗教上、供養の仕様として遺影を中心にするというのは正当ではないと言えます。遺影には宗教的な役割が無いとされるからです。お葬式に用意される大きなが額に入った遺影写真も通常は四十九日で役目を終えます。では、遺影を主役に置いた供養のスタイルは避けた方が良いのでしょうか?

遺影を飾るスタイルについて

遺影に宗教的な意味がなくとも、飾るかどうかは供養する人の自由です。仏壇の中は浄土の世界を表現しているのでそこに置くことは良くありませんが、それ以外は特に禁止されていることは有りません。逆に遺族にとっては位牌よりも故人を感じやすくいつまでも見える場所に飾って置きたい気持ちになります。つまり遺影を中心に供養のスタイルを作ることは、信仰の型にはまらずに、自らの気持ちを素直に表現した構成ということになります。そこに位牌を置くかどうかはゆっくり考えるとして、必要最低限の三具足を配置すれば、慣習と常識に則ったオリジナルの供養のスタイルの出来上がりです。

遺影もスナップ写真のようなスタンドに入った小型のインテリアに合ったもので構いません。供養する側の生活にマッチすることが重要です。

供養というのは、手を合わせる人の心が中心なのですから。


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