お彼岸に知っておきたい仏壇の役割やお手入れについて。

春と秋のお彼岸の期間は、春分の日、秋分の日を挟んで、前後3日を合わせたそれぞれの7日間です。最初の日が「彼岸の入り」、最終日が「彼岸明け」と呼ばれます。

ちなみに、今年（2025年）の春のお彼岸の時期は、3月17日（月）が彼岸の入り、3月23日（日）が彼岸明けとなります。

「お彼岸」にまつわる慣習

お彼岸になると、仏壇を清掃しお供え物をして、家族そろってお墓参りをし、先祖の供養をします。家族や親族なども集まりやすく、先祖を供養するタイミングでもあるため、命日がお彼岸の日程と近い場合は、この時期に年忌法要を行う方も多いようです。

お彼岸と仏壇の役割

年中行っているお仏壇へのご供養とお彼岸のそれとはなにが異なるのでしょうか。

お彼岸時期は昼夜の長さがほぼ同じになることから、あの世（彼岸）とこの世（此岸）の距離が最も近くなり、ご先祖様への想いが通じやすくなる時と考えられたため、極楽浄土のある西の方向に沈む太陽を拝むことで功徳が施されると信じられてきたのだそうです。

つまり修行の成果が出やすい期間だから修行に励みましょうという解釈です。悟りを開く修行を積むのに特別集中すべき期間であり、そんな時期に行う仏壇参りとお墓参りも仏教でいうところの修行の一環と見なされるので、お彼岸には一連の供養の行為を行いましょうという慣習になったのです。

仏壇は本来先祖を祀り家族の中心であり絆を深める重要な場所です。日常的に祈りを捧げて供養を行っているわけですが、お彼岸にはさらに特別感を増しましょうということになります。それでお彼岸の前には仏壇を掃除していつもと違ったお供え物やお花を飾って、「特別な気持ちでお参りして」先祖への感謝の気持ちを再認識しましょう、というわけです。

お供えは、初日の彼岸入りにお供えし、最終日の彼岸明けに下げることが好ましいです。 お彼岸の間はお供えがある状態にしましょう。

仏壇掃除の基本手順と注意点

始めに仏具や供養品を丁寧に取り外すことから始まります。元の位置に戻せるように、必ず細かく写真を撮っておくことをお勧めします。

仏壇の外装の掃除は、基本は固く絞った布巾で水拭きです。アルコール系の洗剤は避けるべきです。古い仏壇の内部は、線香やろうそくの煙によって黒くすすけているのが普通です。ご本尊様のお顔も綺麗にしたくなるのですが、無理に汚れをごしごし取り除くようなことはせず、ほこりをはらう程度で大丈夫です。本来は仏壇の材質に応じた掃除方法を選ぶことが重要ですが、繊細な細工や塗りが剥げてしまうので、柔らかい布で拭いてください。専用の仏壇掃除用具を使って埃や汚れを取り除くこともできますが素人が行うと逆にムラだらけになります。また、金箔が施された部分は特に慎重に扱わないと、傷が付いてしまったら修復も大変です。

掃除が終わったら、仏具を元の位置に戻し、最後に線香やお花を供えることで、清らかな状態を保つことができます。

お彼岸における仏壇の飾り方

お彼岸にも、基本的には、線香・ろうそく・お花・ご飯・お水など、普段通りのお供えをしましょう。それ加えて、お彼岸には、「彼岸団子」と呼ばれるお団子をお供えする風習がある地域もあります。お彼岸の初日（彼岸入り）に供える団子は「入り団子」、最終日（彼岸明け）に供える団子は「明け団子」と呼ばれ、地域によって形や積み方に違いが見られるのが特徴です。また、季節のお花や季節のお菓子をお供えすることで、よりお彼岸らしい飾りつけになります。浄土真宗以外のお家では、精進料理というお膳も併せてお供えしましょう。

お墓参りとお墓掃除

お彼岸時期は、あの世（彼岸）とこの世（此岸）の距離が近くなりご先祖様への想いが通じやすくなる時と考えられたため、ご先祖様が眠っているお墓に出向いてご供養を行うという風習も定着したとされています。

また、お仏壇への供養もそうですが、お墓参りは悟りに境地に達するために必要な徳目である「六波羅蜜(ろくはらみつ)」のひとつを実践する方法としても有効です。

※六波羅蜜とは、大乗仏教において菩薩ぼさつに課せられた６種の実践徳目のことです。

布施ふせ……親切　持戒じかい……言行一致　忍辱にんにく……忍耐　精進しょうじん……努力　禅定ぜんじょう……反省　智慧ちえ……修養

さいごに

お彼岸に入るとバタバタして何かとやるべきことも進みません。

できるなら事前に計画を立てて、準備を進めておくと安心です。お彼岸の期間に掃除を行うと忙しいので、事前に済ませておくと慌てません。またまわりの親族に仏壇の掃除やらお墓の掃除、お墓参りに行きますよと声をかけておくだけでも心構えが変わってきます。是非ともご先祖様への感謝を込めた有意義なお彼岸をお過ごしください。

お仏壇の承継問題について

上記のようにお仏壇はお彼岸に家族のきずなを深める大切なものではあります。ご先祖様から受け継がれてきた家系のシンボルでもあります。

願わくば、子孫に代々永年に引き継がれることが理想ですが、様々な事情からお仏壇の承継ができなくなるというケースが増えてきています。例えば住環境問題で都会への引っ越しで仏壇を置くスペースが確保できなかったり、次世代の先細り問題として次に引き継ぐ子供がいない、あるいは娘さんしかいない、といった家庭の事情や社会情勢、少子化などの人口動態の問題などによって、仏壇の扱いに窮する方が増えてきています。

そのような場合は仏壇を正しく処分することも考えなければなりません。

代々引き継いできた大切な仏壇を処分するのはご先祖様に申し訳ないと考える方もいるでしょう。しかし、跡継ぎがいないと仏壇を守っていく人がいなくなるため、逆に粗末な扱いになりかねません。お仏壇のご本尊やお位牌も含めて、正しい方法で役目を終えて頂くことも選択肢のひとつです。

適切な方法で処分を検討されるなら、是非専門業者にご相談下さい。

さくらサービス東京には、実家にあるお仏壇などに関し、介護施設等への入居、ご両親の死別、お引越しなどにより、今後お仏壇をどうすべきかお悩みが寄せられます。

お仏壇のご供養処分の専門家として考えられる方法に関しご案内させていただきたいと思います。

方法としては、3つ考えられると思われます。

■お仏壇を新しく設置する場所に合わせて買い直す

■お仏壇は買い直さずご本尊、お位牌のみ新たな場所に設置する

■お仏壇、ご本尊お位牌を閉眼供養し、供養処分する

お仏壇、お位牌を引き継ぐ方がいない場合には、閉眼供養し供養処分する方法がございます。

弊社では、お仏壇はご訪問させていただき弊社供養場へお引き取り致します。

ご位牌はお仏壇とともにお引き取りさせていただくほか、ご位牌のみの供養処分でございましたら、弊社宛に宅急便等で配送いただき供養処分させていただく方法もございます。

その他、故人の遺影、大切になされていたお人形等、ご家族の思いがこもったもの、その他神棚等の供養処分も行わせていただいております。

詳しくはこちらのホームページをご覧ください。⇒　https://www.sakura-kuyou.com/