【終活】遺言書の書き方は?遺言の種類や作成時の注意点を解説

「故人の意思を死後に残す」という大切な役割を果たす「遺言書」。しかし、正しく作成しなければ、法的な効力が失われてしまうこともあります。そこで本記事では、遺言書の書き方について解説します。遺言書の種類や作成時の注意点も併せてお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
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終活における遺言書の役割とは
遺言書は、自分の死後に家族や親しかった人に生前の思いを伝えるために役立つ相続の手段です。遺言書を正しい形で作成することで、故人の最終意思として取り扱われ、非常に強力な法的効力を持ちます。書類上にて財産を承継する人物をはっきりと指定するため、自分の死後に相続トラブルが起きるリスクも下がり、相続にまつわる決め事も短期間で決着するはずです。
遺言書の種類
ここからは、遺言書の種類をご紹介します。
自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、自分で作成した遺言書のことです。メリットとしては、費用がかからず手軽に作成できることが挙げられますが、その反面、要件を満たしておらず無効になるケースが少なくありません。自宅で保管することに不安がある方は、法務局で保管してもらうことも可能です。
公正証書遺言
公正証書遺言とは、専門家の力を借りて作成する遺言書のことです。大まかには、遺言を残す人物が公正役場の公証人に内容を伝えて、その公証人が代理で遺言書を作成します。作成時には2人の証人が必要となり、遺言を残す人物の住民票や戸籍謄本、印鑑証明書等の書類を用意しなければなりません。
なお証人とは、家族や推定相続人のことではなく、弁護士や司法書士等の法律職にあたる人物が該当します。手間はかかりますが、専門家を交えているため確実な効力を有する点がメリットです。
秘密証書遺言
秘密証書遺言とは、遺言書の内容を伏せたまま「遺言書が存在する」という事実のみを、家族や公証人に知らせたい場合に用いられる遺言のスタイルです。少々特殊なケースであり、遺言に記されている内容は、本人以外誰も知ることができません。メリットとしては、他者に内容が分からないため偽造や変造を防止するという効果が挙げられます。
遺言書を作成する際の流れ
ここからは、遺言書を作成する際のおおまかな流れをお伝えします。
財産のリストアップを行う
初めに、自分の保有する財産を一覧にしてみましょう。預貯金や現金、価値の高い物品だけでなく、投資信託や有価証券、株式、生命保険なども対象です。また、未払金やローンなどの負債も忘れずにリストアップしておいてください。
遺贈先を決定する
財産をリストアップしたら、それぞれの遺贈先を決めていきましょう。自分の資産や財産の行く末を決定し、遺される人に伝えることが、遺言書を作成する最も大きな目的です。誰にどの財産や資産を相続するかを明確に示しておきましょう。解りやすくまとめておくことで、遺族間で相続争いが起きるリスクを減らせます。
遺言執行者を決定する
財産の遺贈先を決定したら、次に遺言執行者を決定します。遺言執行者とは、自分の亡き後に遺言の相続内容を実現する役割を持つ人物のことです。遺言執行者に指定された人物は、相続にまつわるあらゆる手続きを単独で進められる権限を持ちます。親族などの利害関係者が申し立てを行うことで、家庭裁判所が選任することも可能ですが、不要な争いを避けるためにも、遺言を残す本人が指定しておきましょう。
文案を専門家に見てもらう
遺言を作成する際は、先に文案として下書きを作ります。文案が完成したら、一度専門家に見てもらい、文章表現や内容に間違いがないかをチェックしてもらいましょう。遺言の内容は自由ですが、法的要件を満たしていなければ無効になる可能性があるので注意してください。
遺言書を作成する
専門家に見てもらったら、いよいよ遺言書を作成します。まずは、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つの中から、形式を選びましょう。ほとんどの場合は、自筆証書遺言または公正証書遺言のどちらかになるはずです。
自筆証書遺言の場合は、清書した遺言書を封書に入れ、遺言書内で使用した印鑑を使い封印します。公正証書遺言を選ぶ場合は、公正役場に出向いて手続きを行ってください。
遺言書を作成する際の注意点
ここからは、遺言書を作成する際の注意点をご紹介します。
文言は正確に記載する
遺言書内の文言は、法律に則った方法で正確に記載しましょう。法律の要件を満たしていないと、せっかく作成した遺言書が無効になってしまうリスクがあります。遺族間の争いを避けるためにも、遺言書の下書きができたら、税理士や弁護士などの専門家にチェックしてもらってください。
財産のリストは定期的に見直す
生前に終活を行う場合、財産のリストを作っても、その内容や財産の価値は変化し続けるものです。財産リストは定期的に見直して、最新の情報に書き換えていきましょう。遺言を作成した時点と相続の時点で金銭的な価値が変わると、相続税トラブル等が起こりかねません。
遺言書は、ルールを遵守して書くことが大切
本記事では、遺言書の書き方について解説しました。遺言書は終活に置いて非常に大切な役割を果たしていますが、正しく書かなければ法的な効力がなくなり無駄になってしまいます。相続トラブルを防ぐためにも、専門家の力を借りて正しく作成しましょう。